A/Cコンプレッサー取付時の注意事項
A/Cコンプレッサーを交換する際は、部品本体の交換だけでなく、エアコンサイクル内の洗浄、関連部品の同時交換、オイル量の調整が重要です。
作業内容が不十分な場合、異音、焼き付き、ロック、冷却不良などの原因となり、保証対象外となる場合があります。
取付前に必ず以下の内容をご確認ください。
01 サービスバルブ・アッパーカバーの確認
サービスバルブ、アッパーカバー等の形状が現車のものと異なる場合があります。
形状が異なる場合は、現車に装着されている部品と交換してご使用ください。
取付前に、必ず現品と交換部品の形状、取付部、カプラー、配管接続部等をご確認ください。
02 エアコンサイクル内の洗浄
A/Cコンプレッサー交換時は、交換理由に関わらず、エアコンサイクル内の洗浄を実施してください。
サイクル内に異物、金属粉、汚れ、劣化オイル等が残っている場合、新しく装着したコンプレッサーにも不具合が発生する恐れがあります。
洗浄不足は、異音、焼き付き、ロック、冷却不良の原因となります。
汚れがひどく、洗浄で除去することが困難な場合は、該当部品を新品に交換してください。
03 関連部品の同時交換
A/Cコンプレッサー交換時は、以下の関連部品の同時交換をおすすめします。
- エキスパンションバルブ
- レシーバータンク
- ドライヤー
- チューブフィルター
- リキッドチューブ
- コンデンサー
- その他、詰まりや汚れが確認される部品
特に、エキスパンションバルブ、レシーバータンクは同時交換が必要となる場合があります。
ダイハツ車両では、ドライヤー・レシーバーの代わりに「チューブフィルター」付きリキッドチューブが装着されている場合があります。該当車両の場合は、必ず新品交換を実施してください。
未交換または洗浄不足による故障は、保証対象外となる場合があります。
04 オイル量の調整
A/Cコンプレッサーには、規定量のオイルが充填されている場合があります。
ただし、エアコンサイクル内の状態や交換部品の内容により、必要なオイル量は異なります。取付時には、現車側の残オイル量、交換部品、整備書の基準値等を確認し、適切にオイル量を調整してください。
オイル量が不足している場合、潤滑不足により焼き付きが発生する可能性があります。
一方で、オイル量が多すぎる場合も、冷却効率の低下、冷風温度の不安定、コンプレッサーへの過負荷、異音、始動不良等につながる恐れがあります。
一般的な必要オイル量の目安
| 交換部品 | 必要オイル量の目安 |
|---|---|
| コンデンサー | 40〜70cc |
| エバポレーター | 40〜70cc |
| レシーバー | 10cc |
| 配管類 | 10cc |
上記は一般的な目安です。車種、仕様、コンプレッサー型式、整備書の指定値により異なる場合があります。必ず車両メーカーの整備基準に従って作業してください。
オイル量が不足している場合の注意点
オイル量が不足していると、以下のような不具合につながる恐れがあります。
- 潤滑不足による焼き付き
- コンプレッサー内部の金属摩耗
- 異音
- 性能不良
- コンプレッサー破損
- エキスパンションバルブやエバポレーター等への二次被害
オイル量が多すぎる場合の注意点
オイル量が多すぎる場合も、以下のような不具合につながる恐れがあります。
- 冷却効率の低下
- 冷媒ライン内へのオイル過多
- エバポレーター内部へのオイル滞留
- 冷風温度や風量の不安定
- コンプレッサーへの過大な負荷
- 異音
- 始動不良
- 電動機への過負荷
作業時の注意事項
取付作業は、必ず専門知識を有する整備工場または有資格者により行ってください。
作業時は、以下の点にご注意ください。
- 換気の良い場所で作業してください。
- 異音、異臭、発熱等の異常が生じた場合は、すみやかに使用を中止してください。
- コネクターを外す際は、ハーネスを引っ張らず、必ずコネクター本体を持って取り外してください。
- 車載ジャッキのみでの作業は危険ですので行わないでください。
- 取付時に、エンジンルーム内の配線、配管、ホース類を傷つけないよう注意してください。
- エンジンルーム内の温度が十分に下がってから作業を開始してください。
- エンジン本体、ラジエーター、排気系部品は高温になるため、火傷にご注意ください。
- ボルト、ナット類は適切な工具を使用し、規定トルクに従って締め付けてください。
- 必要以上の締め付けは、ネジ部破損や取付不良の原因となります。
保証対象外となる場合
以下に該当する場合は、保証対象外となる場合があります。
- エアコンサイクル内の洗浄不足
- 関連部品の未交換
- 異物、金属粉、汚れの混入
- オイル量の過不足
- 誤った取付作業
- 整備書と異なる作業
- 取付前の形状確認不足
- 加工、改造、分解を行った場合
- 取付後の二次被害
- 車両側の不具合に起因する故障
保証対応には、取付状況、不具合内容、診断結果、交換部品、作業内容等の確認が必要となる場合があります。
取付前にご確認ください
A/Cコンプレッサーは、エアコンサイクル全体の状態に大きく影響を受ける部品です。
部品交換前に、以下をご確認ください。
- 現品との形状確認
- 純正品番の確認
- カプラー形状の確認
- 配管接続部の確認
- エアコンサイクル内の汚れ確認
- 関連部品の交換有無
- オイル量の確認
- 整備書の基準値確認
ご不明な点がある場合は、取付前にお問い合わせください。
